TradingViewのストラテジーは便利だけど注意点アリ
TradingViewは仮想通貨(暗号資産)だけでなく為替、株式などのトレーダーに愛用される大変便利なツールですが、注意点が一つあるのでご紹介しておきます。
TradingViewにはボリンジャーバンドや移動平均線などのインジケーターの他に「ストラテジー」と呼ばれる売買戦略を表示できる機能があります。
このストラテジーを使うと過去データに対して「バックテスト」を行うことができ、非常に便利な機能になります。
自分自身でストラテジーをプログラミングして使うこともできますが、他の開発者さんが販売しているストラテジーを購入することもできます。
それから、元々TradingViewに内蔵されているストラテジーも無料で利用することができます。
PFは嘘?バックテストのリペイントとは?
さて、ここから注意ですが、
TradingViewの他のユーザーが公開している公開ライブラリーと呼ばれるところにも無料で利用できるストラテジーがたくさんあるのですが、こちらの中にRepaint(リペイント)と呼ばれるチートを利用したものが含まれているので騙されないようにしてください。(意外と多いです)
ストラテジーにはその性能を表すためのPF(プロフィットファクター)と呼ばれる数値があり、この数値が大きいほどその売買戦略の期待値が高いということになります。PFは1を基本として、1以上であれば成績が良い、逆に1未満であればあまり成績の良くないストラテジーということができます。(条件にも左右されます)
このPFが二桁を超えているようなストラテジー(15とか)がもしあればそれは間違いなくチートだと考えて良いと思います。
だいたいPFが2以上であれば十分に成績の良いストラテジーと考えられ、安定して5以上とかだと「むむ?」と怪しんでみてもいいです。
Repaintとは何が行われているかと言うと、過去の売買サインを後で塗り替える作業をプログラム内で行いPFが見かけ上良くなるように細工が行われているものになります。「後出しじゃんけん」ですね。
※時々、リペイントに関して「未来のデータを参照している」という表現が使われますが、これは誤りです。過去に表示した売買サインを後から修正して消去・上塗りするのがリペイントの正体です。
ストラテジーのコメント欄(英語が多い)にRepaintという単語があれば怪しいと思った方がいいですね。
※意図的に特定の時間足などの条件でのみ成績が良くなる現象は、カーブフィッティングと呼ばれますが、これはチートではありません。
プロフィットファクター二桁超とかありえないよ
例えばこちらは公開ライブラリの中でもたくさんの「いいね」がついているストラテジーですが、ご覧のように勝率は90%超、PFは460というありえない数字になっております。
売買タイミングを見ても、必ず安値で買って高値で売っているので奇跡のようなストラテジーに思えるかもしれませんが、そんなうまい話はないです。(実は最初騙された人)
そもそもPFが二桁を超えるようなストラテジーは存在しないと思いますが、もし存在すれば、その手法に全ての投資家が群がりすぐに有効性もなくなるはずです。コツコツ地道に行きましょう。
以上、「TradingViewのバックテストでPFが二桁以上のストラテジーはまず間違いなくRepaintというチートを利用していますよ」という注意喚起でした。
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