モナコインへのreorg攻撃!ブロックチェーンが悪意のマイナーにより改ざん

モナコインのブロックチェーンにreorg攻撃発生

モナコインブロックチェーンに対してreorg攻撃が発生しました!

Block Withholding Attackセルフィッシュマイニングなどの呼び方もあり、広義ではハッキングの一種とも言えます。

前例のない事態なのでまだ呼び方が定着していませんが、ブロックチェーンへの改ざんが行われたという点が重要です。(reorg = reorganization = 再編、改造、改ざん)

技術的な説明は後回しにして、何が起こったかイメージするために分かりやすくいうと、

①悪意のあるマイナーがモナコインのブロックチェーンを二重にマイニングして、

②ブロックチェーンAでモナコインを売却した後、

③ブロックチェーンBを正しいブロックチェーンとして上書き承認した。

④当然、ブロックチェーンAに存在したはずのモナコインは消滅。

なぜこうなった?マイニングの抜け穴

通常であればマイニングは世界中のマイナーによって競争で行われているので、このように二重のブロックを掘る(マイニング)時間的余裕はないはずですが、

悪意のあるマイナーが一定以上の巨大なハッシュパワーを持っている状態

コイン自体のマイニングの難易度

取引所が要求する承認ブロック数

等、条件が重なればこのようにブロックチェーンに対する攻撃が成功してしまうということが証明されたわけです。

ビットコインや他の仮想通貨にも飛び火する可能性

つまり、モナコインだけの問題ではなく、ブロックチェーンを利用しているビットコインや他の仮想通貨においても同じような攻撃が発生する可能性があるということです。

ブロックチェーンの最大のメリットは世界中のコンピューターによって分散管理されていることで、そのデータが理論上改ざん不可能であるというところにありました。

しかし、今回のreorg攻撃によってその神話が破壊されたとしたら、その衝撃はあまりにも大きいのではないでしょうか。

自分のお金のデータが簡単に書き換えられてしまうようであれば、ブロックチェーンや仮想通貨を使う人はいなくなってしまうでしょう。

今回のモナコインに対するreorg攻撃は被害額においてはコインチェック事件、マウントゴックス事件などには及びませんが、それが持つ意味は非常に大きいと言えます。

安全性と利便性はトレードオフ。今後の課題

ブロックチェーンを承認するブロック数を増やせば増やすほど安全性は高まりますが、当然、送金に時間がかかるようになり、利便性が落ちます。

2017年末にはバブルによる需要ピークでビットコインの送金詰まり・承認速度が問題になったこともあり、最近では送金スピードを売りにするアルトコインに人気が高まっていたのも事実です。

利用者側としても、仮想通貨に何を求めるのか、今一度考え直すきっかけとなる事件だったと言えるでしょう。

※詳しい技術的な解説は大石さんの「ビットコイン研究所ブログ」が参考になります。

※追記

木ノ下じょなさんより本記事に追記コメントをいただきました。

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